思い出箱を開くラベンダーの香り

【香りのストーリー】

ご縁をいただいて緩和ケア病棟でアロマの香りを届けている。

感染症をおこさない為に患者さまにアロマトリートメントは出来ない。

触ることを閉ざされた私。さて、香りだけで何ができるかな?

 

 

 

 

 

その日は寡黙なおじいさんからアロマの香りの依頼。

幾つものアロマの瓶から好きな香りを見つけてもらう。選んだ香りはラベンダー。
ゆっくりと今ここに身を置き、じっとラベンダーの香りを聴いている。

そうして浮かんだ光景は奥さまと新婚旅行で行った北海道。

たった3日間の新婚旅行。
いつかまたゆっくりと奥さまを北海道へ連れて行ってあげようと決めていたのだそう。

 

そして何年か前、2週間ほどかけて車で奥さまと北海道を巡り、その時の風景を思い出しながら『本当に幸せだったなぁ』と呟いた。ラベンダーの香りを味わいながら優しい眼差しを向けてくれた。

 

 

 

 

 

 

おじいさんの肉体がこの世に存在する時間はもう限られているかも知れない。

あの後、奥さんに『北海道の旅行へ2人で一緒に行けて幸せだったよ』って伝えたのかな?

いやいや、寡黙なおじいさんのことだから言葉にして伝えてないかも知れないな。

でも、おじいさんのそんな想いは奥さまにきっと届いているよね。

言葉を超えて奥さまと繋がっているね、いつまでも。

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