香りのストーリー ~感じるを繋ぐ香り~

香りのストーリー
〜感じるを繋ぐ香り〜

 

さてさて、アロマを携え、今年最後の、病院の緩和ケア病棟へ訪問の日。

この日は、私が心待ちにしている日。
どんな出会いがあるのか?何が起こるか?行ってみなければ、その場で起こる思いもよらないドラマに出会えない。病院へ近づくにつれ、そのドキドキワクワクは高まっていく。

今日の患者さんは、とても創造性豊かな方。

アロマの香りを香ってみるも、最初は興味を持たず。気怠く重そうな体をベットにゴロンと預けたまま、なんとな〜く、香りを嗅ぐ。

『この香りも違う、あの香りも違う』と言って、とうとうピンと来る香りは見つからず。。。

今日は、お気に入りの香りでのスプレー作りはやめておこうか…。
と言いかけた瞬間。

ムクッとベットから体を起こし、『ちょっと、アロマの瓶(ラベル)見せてくれないかしら?』と。

『これは何?
緑の香りはどれ?
お花の香りは?

私、思うんだけど、このグリーンぽい香りと、こっちのお花の香り、混ぜたらいいんじゃないかしら?』

さっきまで、あまり興味がなさそうだったのに、あらまあ!

何となく彼女のアンテナに引っかかった香りを2つ混ぜて香ってもらう。

『ほら〜、やっぱりそうよ!これって、畑の入口の香りでしょ?』と、ちょっぴり得意げ。

『畑の入口って、バラとかお花が適当に植えてあって、畑の緑の香りと混ざってふんわり香って来るでしょう。
やっぱり、そう。畑の入口の匂い、そうでしょう?』

と、念を押される。

そんな勢いに押されて『あっ、はい、確かにそうですね〜。』と、私。
そう答えたものの、畑の入口の匂いって、どんなだろう?とハテナが頭の中いっぱいになる。

 

【畑の入口の匂い】と言われて、思い浮かべる香りは、きっと人それぞれ違うだろうし、

選ばれたゼラニウムとサイプレスの香りを香っても、畑の入口の匂いってみんなが感じる訳でもないだろう。

感じ方が、人それぞれに違うことを香りはとても見えやすくしてくれる。
その人の感じ方は、それぞれ自由で、そこに正解も不正解もないことも。

その香りたちは彼女の何かとても大切なモノ、おそらく言葉に代えたら別物になってしまうとても大切なモノに触れた。

 

 

 

 

 

 

ルームスプレーにして部屋の中にまいてみる。

ふわぁ〜っと香りは空気の中に溶け込んで、彼女の顔はホンワリと安らいで、笑顔が溢れる。
『ありがとう。私、この香りとっても気に入ったわ』と。
香りは、体に残された記憶を呼び覚まし、感情となって溢れ出す。

 

【畑の入口】、そこに立つ彼女の目には、どんな風景が広がっているのだろう?

 

 

 

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